ふしぎの海のナディア(とエヴァ)@mossya

今更ながらナディア見た。最近無駄に忙しくて先週もパーティ出来なかったしストレスも溜まるしだったのでやけになって見た。いや、でも一気に見たわけではなくて3、4話ずつ、一日の終わりに、ちょっとだけお酒も飲みつつ、自分へのご褒美。
きもいですね。でも本当に救われた。そもそも20年前のアニメを今見ようと思ったきっかけは新劇場版ヱヴァの「破」なわけです。

唐突にネタバレするかもしれないけど書くよ!

まずエヴァのtv版後半と旧劇場版はたぶん坂口安吾風に言えばアモラルな物語なのだろうと思う。救いがない。それはそれでいいと思うんだけど。それに対して新劇場版はとりあえず今のところモラルがありそうな、救いがありそうな展開。
残酷なシーンとか、もうやめttええ!みたいな感じの見せ方は健在なんだけど、今回はハッピーエンドなんだ!シンジ君もやってくれるし誰も死なないんだ!みたいな確信がどこかにあるからなのか、なんとなくグロも含めて全部健全なものとして見えちゃう不思議。そういう意味では逆に狂ってるよね。パイロットの中で唯一トラウマを持ってないように(今のところ)見える、超ポジティヴキャラの眼鏡っ子の存在はこの狂った感じについて示唆的。
なにはともあれ、新劇場版の出来は素晴らしく、狂ってるけど道徳的なものでした。まだ半分だからこれからどうなるかは分からないけども今のところはね。
で、ナディアの話だけど、私は庵野監督の作品はエヴァしか見たことがなくて、エヴァは最高だったけどわざわざその6年前くらい?に作られた作品を見る必要もないなとも思ってて、なにしろ私が小学校に入る前に放送された古典みたいな作品だし。でもやっぱり破を見て、健全な(といっては失礼ですが)庵野監督の作品も見てみたいなと。思ったわけです。
ナディアとエヴァの共通点とかそういった分析は過去に散々されているんだろうけど、あまり読んだことはないです。たぶんそこに共通した大きなテーマは、主人公をいかにして大人に成長させるか、みたいなものだと思う。かなり大雑把だけど。そのテーマに対しては、ナディアでは成功したけどエヴァでは失敗したというか不戦敗なのかな。
ネタバレだけど、ナディアの最終回、ガーゴイルが床をサッと斜めにしてジャンを転落死させるシーンはあまりにも呆気なかった。エレクトラさんやネモ船長は、うぐう!、とか、うああ!とかいって苦しめられるのに、ジャンのときは一瞬、こつ、と頭から落ちて終わり。あのシーンのリアリティは異常。今までにも高いところから飛び降りるみたいなシーンはたくさんあっただけに、かなり唐突だった。このようなアモラルな演出はエヴァの旧劇場版の二号機と量産型の例の流れに通じるものがある。それでもナディアがハッピーエンドに持っていけたのは、やっぱり周りに居る大人が良かったからなんだろうなと思う。臭いっていうか熱くて今っぽい大人ではないけど、ナディアやジャンをいい方向へ導いた。それに比べてエヴァのほうは散々だったから、ああなったんじゃないかな。新劇場版ではどういった形で現代の大人と子供の関係とか、子供から大人への成長みたいなものを表現していくのかが重要だと思う。普通にやったら旧劇場版と同じになっちゃうんだろうなと。
そんな感じで、いろいろクリティカルなネタバレをしつつw、ふしぎの海のナディア、とヱヴァの新劇場版、見てない人にはおすすめします。