館林美術館みてきた

久々の建築アートネタで

館林美術館、外からは何度も見る機会があったんだけど、毎回休館日だったり展示替えだったりで中に入れてなかった。今日はじめて中に入ったので少し感想を。


いやーすごい綺麗な建物で、まぎれも無い名建築だね。特に意味はなさげな曲率で建物にアールがついているんだけど、それが広大な敷地の中では彫刻のようで美しい。素材は石とアルミとガラスの印象が強くて、使われ方もそっけないので、壁や床天井といった要素がかなり明快に構成されているように思えた。石の貼りかたや水盤のディテールなどもすっきりしていて目にやさしい。

また独立した半月状の展示室はなかなか見たことの無い空間だった。大きいテントの中のような。ガラスのマリオンはすべて角度が微妙に違うようで、レンズでゆがんだ写真のなかにいるような不思議な雰囲気があった。

長く続く廊下のガラスがまた綺麗で、まっすぐなガラスを微妙なアールの廊下に沿って嵌めてるんだけど、そこに映る景色が連続する一枚一枚のガラスに別々に映りこむ感じで、ブレたような、バグったホームページ画像みたいに見える。まあコストとか技術の問題はあっただろうけど、曲面加工したガラスを使っていないのは見え方的にいって正解だなと思った。

建築に関してはこんな感じで。


展示に関してだけど、今回は雪の結晶とか冬っぽい展示で、見ていて涼しかった。

雪と氷−『雪華図説』から近現代の美術まで

中でもよかったのが、タイトルにもなっている雪華図説という雪の結晶のスケッチ集みたいなやつ。土井利位というどこかの殿様が描いたらしいんだけど、マニアックな感じがすごくよかった。その人が書いた手紙も展示されてたんだけど、これが更に素晴らしくて、まず字が綺麗で、先の図説の字はかしこまったフォントっていうか楷書みたいな感じなんだけど、手紙の字は遊び心があって絵的な魅力が感じられてよかった。しかも自分で描いた結晶のスタンプみたいなのを手紙の中にペタペタ押しているのがかなり萌えた。

あと気になった作品は、山崎純子さんのガラスの大皿みたいな作品。ガラス同士を溶接する的な技術を使っているらしく、皿の厚みの中に奥行きが出来ているのが凄かった。イマイチ言葉で説明できないけど。

あと常設のフランソワ・ポンポンという人の彫刻もなかなかよかった。僕は近代以前の彫刻とか絵画は見ても何がいいのかよく分からないことが多いんだけど、最近は欲しいか欲しくないかをひとつの価値基準にしていて、それで見るとポンポンの作品はわりと欲しい部類に入る。白熊の彫刻などはよくあるみやげ物の木彫りの熊を髣髴とさせるけど、同時にそれとは雲泥の差が感じられる静謐さというか密度の濃い緊迫した感じがあってたまらなかった。

以上感想文でした


mossya