拡張現実って何@mossya

拡張現実ってカッコよくね?名前がまず良いよね。Augmented Reality!
またしてもアニメネタから入るけど、そんなのが溢れる未来世界のヴィジョンをビシッと提示したのが電脳コイルだと思う。電脳コイルのメガネはつまりカメラとディスプレイが一緒になった物だと考えれば。知ったように書いてるけど拡張現実ってなんなのかよく分からないwiPhoneなりウェブカメラなりを通した映像に別の情報をオーバーレイするみたいな、そういうののことであってる?
例えばこういうのは当てはまるのかな
・pablo valbuena(http://www.pablovalbuena.com/)

・urbanscreen (http://www.urbanscreen.com/)

555 KUBIK | facade projection | from urbanscreen on Vimeo.

上の動画のようなのを拡張現実って言うのかは分からないけど、言うということにして書くと、“プロジェクション”っていうのは電脳コイル的なやり方とは別の路線で拡張現実を実現させる手法になっているというかなる可能性があるんだと思う。
ふつうのARが手元のインターフェースを通して空間に情報を重ねるのに対して、プロジェクションの特徴は実際の空間や物質に手を加える(光を当てる)という点にある。道具としては古い物なんだけど、単に映画を映すだけの物にはとどまらず、空間を利用した新しい使われ方が沢山出てきていると思う。これは前にICCに行ったときの感想だけど。

私はこの二種類のARについて、プロジェクションのほうがより建築的だと思っていて、ふつうのARは結局“便利な道具”止まりな気がしている。こんなふうに思うのにはまあ全然根拠が無いんだけどw、少し関係あるんじゃないかなと思うのは、携帯と建築の関係について。今どき携帯持ってない人なんておじいちゃんとかちっちゃい子供くらい?で、こんなに携帯が普及してるんだから建築もそれに合わせて変わっていってもいいはずなんだけど、なかなか変わんないね。っていうのが今の状況だと思う。携帯がテーマのコンペなんかもあるけどいまいちピンとこない。遠いけど近いとか、見えないけど聞こえる空間みたいな、そういう空間づくりの手法というか概念的な部分には携帯からの影響が強く出ていると思うんだけど、携帯と建築が直接的に共犯関係を結ぶというか、そういう状況にはまだ至っていないと思う。お財布ケータイとかGPSとか、それがあるだけで革新的に生活が変わるけど、やっぱり道具的で、建築的な展開がなかなかしにくい。QRコードはそれ自体何となく建築的な形態wをしているからデザインに敷衍させる余地もいくらかありそうだけどわかんね。携帯は基本的には個人対個人とか無数の線的なつながりだから、いくら普及したからといってやはり公か私かで言ったら私的なものにカテゴライズされると思う。携帯と同じで、っていうか全然違うと思うけど、ARもどこか道具的な、個人的な、私的なものとして機能していきそうな気がする。インターネット的な、線的な網的なつながりの中にある限りは。

で、建築は公共的なものだって言うけどそれは真理なんだろうと思う。正確には公共性の度合いが高いというか。携帯の建築化(=公共化?)は失敗したのかもしれないけどARの建築化はまだ分からないので楽しみ。今思っているのは、公共的なものの上に私的なレイヤーを被せるという形でARが建築に取り込まれていく可能性はあるんじゃないかということ。それはつまりインテリアデザインのさらに一歩手前、あるいはもう一枚“こっち側”的な扱いとしてのAR(電脳コイルの中では電脳空間のことを“あっちの世界”って言ってたと思う)。例えば特に商業建築では、建築とインテリアは分けて考えられることが多くて、そういう場合インテリアは後から、より身体的で感覚的で私的な感性によって作られる。公共的な建築の上に、もう少し公共性が弱い、私的なインテリアのレイヤーが重なる。ARの技術は、インテリアの上に、さらにもう一枚、より私的なレイヤーを掛けるようなものなのだろうと思う。建築設計→インテリアデザイン→ARデザインみたいな。で、新陳代謝のスピードはARが一番速い。商業建築においてはARの技術がかなりの武器になるはず。

それで、pablo valbuenaとかurbanscreenみたいなプロジェクションによるARだけど、これはさっきも書いた通り、現実の空間の占有面積(体積)がものすごく大きい分必然的に公共的で、建築と親和性が高いように思う。問題は暗いところでしか使えないとか、映し出す面までの空間がアンタッチャブルなところ?逆にアンソニー・マッコールのYou and I, Horizontal(下写真左)みたいに、アンタッチャブルなはずの空間を使ったアートもあって、でもそれは少し話がずれる。安藤さんが表参道ヒルズで使っているプロジェクターは天井から床だから間にさえぎる物が無くてうまくいっていると思う。床が平らではなくて緩やかな階段なのもいい。私が行ったときは木漏れ日みたいなの(下写真右)しか映ってなかったからなんだかこんなもんかって感じだったけど、使いようによってはいろいろ出来そう。でもいろいろやると結局アート的なものになっていってしまうのかな。でもアートやって商品が売れるっていうのも場所によってはあるんだろう。表参道はこの場所に当てはまるんじゃないかな。最初に載せたpablo valbuenaとかを呼んでやったりしたら。ともあれ安藤さんの表参道ヒルズは意外とテクノで結構好き。
これくらいにしておこう。まとめ無し。沢山書いたけどよく分からないwARで建築がもっと面白くなっていけばいいな!

以下雑記。うえの文にも出てきたICCだけど、9/19からコープ・ヒンメルブラウの展覧会があるらしい。多分行く。ICC(http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2009/CoopHimmelblau/index_j.html)
あと最近はゼミ旅行で山梨行ったし、トカトンと香港にも行ってきた。それらのレポートもそのうち書きたい。おわり