「作家王国 ましもゆき/ゆめのおくそこ I氏コレクション」見てきた

高崎市美術館「作家王国 ましもゆき/ゆめのおくそこ I氏コレクション」展見てきたので僕なりに感想を

これ→http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/art_museum/art/ten1005.htm


ましもゆきさんの作品は以前オペラシティで見たのがたしか初めて。群馬出身ということもあってなんとなくいいなあと思ってた作家さんなんだけど、今回の展示をみて更に好きになった。
前回見たときは線の緻密さや色の濃淡みたいな技巧的な部分だったり、ニワトリとか孔雀みたいな日本的なモチーフにばかり目がいっていたんだけど、今回思ったのはそういった技巧やモチーフ以前になんかドロドロしててエロイ感じがやばいなと。アール・ヌーヴォー的な末期感というか。花から垂れてる触手っぽいやつ(おしべ?)とか輪郭線で描かれる女の子とか。ミュシャの描く女の子やその髪の毛なんかにも通じるものがあると思うし、特に数センチ角くらいの小さな作品からはビアズリー的な狂気も感じる。この末期感やばいよね。画面でトリミングされた触手空間の切羽詰った感じというか。お金があったらほしい。大きいやつ。
あと逆にこれはちょっと、と思ったのはショップに売ってたTシャツ。ましもゆきさんの作品は印刷されることによって作品の核心的な情報を失ってしまう気がする。その辺はアール・ヌーヴォーと違う所だと思う。線の特性からして例えば町田久美さんの作品ならまだ分からなくもない。僕は絵画作品がポストカードになってるやつとかもあまり好きじゃないんだけど、Tシャツはそういうのの比じゃなく残念な感じの出来映えだった。なんというか線が潰れた粗悪な印刷のTシャツを作ることは、ましもゆきさんの作品のコンセプト自体を弱くしてしまう気がする。いや、実際コンセプトが何なのかとか分かんないし、“作家によるワークショップ「ペンで描く絵ハガキ」”なるものが企画されてたりして、意外とポップな感じで活動してんのかなーとも思うしその辺は知らないけど。
Yuka Sasahara Gallery ましもゆき http://www.yukasasaharagallery.com/artists/mashimo.html


あと他の作品でいいなぁと思ったのは高松和樹さんの作品。すごいデカくて、離れてみるとかなりデジタルな雰囲気なんだけど、近くで見ると意外と塗りが荒いことが分かる。2点展示されてたんだけど、後のほうの作品では等高線の色が変わる部分に透明?な線が描かれていて、そのほうがよりリアルだった。ヴァザルリも似たような作品を描いていたような気がしたけど高松さんの作品はやっぱり3Dモデリングの正確さとかハリボテ感に現代のリアリティを感じた。
高松和樹 距離感主義 http://kazukitakamatsu.web.fc2.com/index.html


mossya